皆生温泉開湯時、温泉宿屋は一軒だけでございました。
浜屋旅館と申しました。
浜屋旅館を先々代が引き継いで、海潮園と名を改めたと聞いております。
この岩風呂は浜屋旅館時代のものでございます。
大正12年出口王仁三郎先生が滞在されて、「霊界物語」第57巻~第60巻を口述筆記なされた折、
日に幾度もお入りになられて、構想を練られたと伝わっております。
作家 野坂昭如先生も逗留され、好んでお入りになられました。
もちろん、わたくしも幼い頃より・・と申しますより、大女将のお腹の中におります時より岩風呂には
お世話になりました。
湯船は大きくはございませんが、泉質がとても良く、お肌がしっとり致します。
また、中国山地の岩を配して作ってありますので、古くて大きな岩からの気のようなものを
感じるのは、わたくしだけではないようです。
皆生温泉は開湯110年でございます。岩風呂が何時できたのかは正確にはわかりませんが、
おそらく、90年以上前に作られたものだと大女将から聞いております。