大学の後輩が遊びに来てくれました。
夜の飲み会まで少々時間がありましたので、私が行きたかった奥出雲へ向かいました。
『VIVANT』大人気テレビドラマの影響です。
我が家では、日ごろテレビを見るという習慣がないもので地上波での放映中は『VIVANT』の事はほとんど知りませんでしたが、銀行さまの宴会であったり、大企業さまの宴会の偉い方であったりがドラマの会話をなさっておられエグゼクティブの方々をも魅了しているこのドラマが気になり U-NEXT(コンテンツNET配信)で見ました。 ハマってしまいました。
ドラマの第9話、数分の回想シーンに出雲大社・奥出雲のたたら製鉄・奥出雲の名所鬼の下震など同じ山陰の地が出ており、中でも、たたら製鉄が妙に気になりました。
そんな理由で、遊びに来てくれた後輩を引き連れ行ってきました。
まず向かったのは『奥出雲たたらと刀剣館』
こちらでは、たたら製鉄について知ることができました。
そして雲南市吉田町 こちらは、出雲地域における「鉄の御三家」(田部・絲原・櫻井)の1名家の田部家がたらら製鉄で「企業城下町」として栄えた情緒ある街並みで、今後のこの素晴らしい遺産を生かした観光の発展を期待したい場所であると感じました。
次に向かったのは、「たたら場」山内(さんない)。
山内とは、たたら製鉄に従事している人達が日々働き、生活していた地区の総称です。
たたら製鉄が行われていた作業場「高殿」に足を踏み入れました。 この私が立っている土の上に、幾人かの男たちが高温の炉に砂鉄をくべ、木炭をくべ、空気を送り続ける 3日3晩の仕事を思うと胸が熱くなりました。
そして、もう一つ私の胸を熱くしたものがありました。それは、吉田町の田部家土蔵群の入口にある、田部家を知ることの出来るショップ兼展示スポットに置いてあった「THE TATARA JOURNAL」という小冊子に記されていた現当主のこの町への想いです。
「吉田中学校の生徒に授業で夢と希望を与えてください」と当主のふるさとである雲南市吉田町の校長先生から依頼を受けられたそうです。集まった生徒は全校でわずか38人 かつて企業城下町としてさかえていた面影はなく「このままでは、この地域はだめになってしまう」そしてそんな場所で暮らす中学生にどうしたら夢を与えられるのか。美辞麗句を並べても、具体性がなければ夢や希望にはつながらない。と思われた当主は、その場で38人に約束をされたそうです。
「たたら場を復活させ、吉田に、この地域に仕事をつくるから、大人になったら帰って来て欲しい」と
一年後、社内に“たたら事業部”を立ち上げ38人への約束を守るがごとく邁進されているとゆう記事でした。
この若きリーダーが、地域の為、次世代の為に考え、実行していくことのかっこよさに感動いたしました。
奥出雲に向かう車の中からは、日本の田舎風景が広がり、空 山 木 現代の人工物にはない美しさを感じます。
田舎風景の美を残しつつ、奥出雲吉田が魅力的な観光地になる近い将来が楽しみです。